「押下」の読み方は「おうか」!クリックとの違いや意味を非IT向けに解説
マニュアルを読んでいて、「登録ボタンを押下してください」という文字に目が止まり、手が止まってしまった経験はありませんか?
「これ、『おしげ』って読むの? それとも『おうか』?」
「ただクリックすればいいだけ? もしかして、強く押したり長押ししたりする特別な操作が必要なの?」
そんな不安を感じて検索してくれたあなたへ。
結論からお伝えします。読み方は「おうか」です。そして、必要な操作は「いつものクリック」で全く問題ありません。
なぜ、わざわざ「押す」と書かずに、こんな堅苦しい漢字を使うのでしょうか。その理由を知れば、今後マニュアルで知らないIT用語に出会っても、もう怖くありません。社内ITヘルプデスクとして日々社員の「?」に向き合っている私が、業界の裏事情も含めてこっそり解説します。
この記事を書いた人:高橋 さとみ
肩書き: 社内ITヘルプデスク・インストラクター / IT用語翻訳家
プロフィール: 創業50年のメーカーで、アナログ業務中心だった社員500名へのシステム定着を支援。「日本一質問しやすいヘルプデスク」として社内表彰を受ける。かつては自身もIT用語に苦手意識を持っていた経験から、専門用語を現場の言葉に翻訳して伝えることをミッションとしている。
「押下」の正しい読み方は「おうか」。「おしげ」は間違い?
まず、一番気になっている読み方についてハッキリさせましょう。「押下」の正しい読み方は「おうか」です。
もしあなたが心の中で「おしげ」と読んでいたとしても、恥ずかしがる必要はありません。「押下」という漢字を素直に訓読みすれば「おし・さげる」となり、そこから「おしげ」と連想するのは日本語として非常に自然な感覚だからです。
しかし、ビジネスの現場、特に会議や電話での会話においては注意が必要です。「押下(おうか)」は、IT業界や事務手続きの場では定着した共通言語であり、「おしげ」と発音してしまうと、相手に「この人は言葉を知らないのかな?」という誤解を与えてしまうリスクがあります。
「押下」と「おしげ」は、漢字の表記は同じでも、ビジネスシーンにおける正解と誤読という明確な対立関係にあります。 心の中ではどう読んでも自由ですが、口に出すときだけは「おうか」と変換するようにしましょう。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: もし同僚が「おしげ」と言っていても、その場では指摘せず、自分が発言するときにさりげなく「こちらのボタンをオウカして…」と正しい読み方を使うのがスマートです。
なぜなら、言葉の読み間違いを直接指摘されるのは誰でも恥ずかしいものだからです。私が新人研修を担当した際も、「おしげ」と読んで赤面する方が毎年いらっしゃいました。自然に正しい音を聞かせることで、相手も「あ、そう読むんだ」と気づくことができます。この小さな配慮が、円滑な人間関係を作ります。
「押下」ってどういう意味?クリックと何が違うの?
読み方がわかったところで、次は「操作」への不安を解消しましょう。
「押下」とは、辞書的な意味では「押し下げること」を指します。
ボタン・キーなどを指で押すこと。
出典: デジタル大辞泉「押下」 – 小学館
では、私たちが普段行っている「クリック」とは何が違うのでしょうか?
結論から言えば、ユーザーであるあなたがシステムを操作する上では、「押下」と「クリック」は実務上の同義語であり、全く同じ操作と考えて差し支えありません。
マニュアルに「押下」と書いてあっても、特別な力を込めて押したり、長押しをしたりする必要は一切ありません。いつも通り、マウスでカチッとクリックしてください。
なぜ「クリック」と書かずに「押下」と言うのか?
ここで一つの疑問が浮かびます。「それなら最初から『クリック』って書いてくれればいいのに!」と思いますよね。
実は、これにはシステムを作る開発者側の事情があるのです。
「マニュアル」と「ユーザー」の間には、開発者視点の用語がそのまま残ってしまっているというギャップが存在します。
- 「クリック」はマウス限定の言葉だから
「クリック」と言うと、マウスのボタンを押す操作を指します。しかし、キーボードのEnterキーを押すことは「クリック」とは言いません。開発者は、マウス操作もキーボード操作もまとめて表現できる言葉として「押下」を使いたがります。 - 「押す」だと口語的すぎるから
仕様書(システムの設計図)のような公的な文書では、「ボタンを押す」という表現は少し稚拙で曖昧に感じられることがあります。「物理的にボタンを押し下げる動作」を厳密かつ硬い表現で示すために「押下」が好まれます。
つまり、「押下」という言葉は、「クリック(マウス操作)」「タップ(スマホ操作)」「打鍵(キーボード操作)」といった具体的な操作をすべて包み込む、大きな傘のような概念なのです。

例文でチェック!「押下」が使われるシーンと類語
理屈がわかっても、いざマニュアルで「押下」という文字を見るとドキッとするかもしれません。
そこで、よくあるマニュアルの記述を、私たちが普段使う言葉に「翻訳」してみましょう。
例文でチェック!「押下」が使われるシーンと類語
理屈がわかっても、いざマニュアルで「押下」という文字を見るとドキッとするかもしれません。
そこで、よくあるマニュアルの記述を、私たちが普段使う言葉に「翻訳」してみましょう。
📊 比較表:マニュアル用語「押下」の翻訳リスト
| マニュアルによくある記述 | 実際の操作(翻訳) |
|---|---|
| 「登録ボタンを押下してください」 | 登録ボタンをクリックしてください |
| 「Enterキーを押下します」 | Enterキーを押して(叩いて)ください |
| 「リンクを押下して画面遷移します」 | リンクをクリックしてページを移動します |
| 「画面を長押し(ロングタップ)して…」 | ※長押しの場合は「押下」とは書かれず、
そのまま「長押し」と書かれることが多いです |
このように、「押下」という言葉が出てきたら、お使いのデバイスに合わせて「クリック」や「タップ」に脳内で変換してしまってOKです。
よくある質問(FAQ)
最後に、私が社内ヘルプデスクとしてよく受ける質問にお答えします。
Q. メールやチャットで「押下」を使ってもいいですか?
A. 相手によりますが、避けたほうが無難です。
社内のエンジニアやシステム担当者宛てのメールであれば、「押下」を使っても違和感はありません。しかし、お客様や一般の社員に向けたメールでは、「クリック」や「押して」と書くほうが親切です。「押下」はあくまで書き言葉的で堅い表現なので、相手に「冷たい」「難しい」という印象を与えてしまう可能性があります。
Q. スマホの場合も「押下」って言うんですか?
A. はい、仕様書などでは使われます。
スマホやタブレットの場合は「タップ」が一般的ですが、システムの内部的な処理としては「ボタンが押し下げられた」と判定するため、ドキュメント上では「押下」と書かれることがあります。「押下」と「タップ」は、PCかスマホかという環境の違いによる言い換えの関係にありますが、やることは同じです。
まとめ:自信を持ってボタンを「押下」しよう!
ここまでの内容を整理します。
- 読み方は「おうか」。「おしげ」は誤読なので注意。
- 操作は「いつものクリック」でOK。特別な操作は不要。
- 「押下」は、マウスもキーボードもスマホもまとめて表現したい開発者の都合で使われている言葉。
「押下」という言葉の正体がわかった今、もうマニュアルの前で手が止まることはないはずです。
もし、あなたの周りでマニュアルを見ながら「これ、おしげ?」と首をかしげている人がいたら、こっそり「おうか、って読むんだよ。ただのクリックで大丈夫!」と教えてあげてくださいね。
さあ、自信を持ってボタンを「押下」して、業務をサクサク進めましょう!
[参考文献リスト]
- デジタル大辞泉「押下」 – 小学館 (参照 2025-12-03)
- 「押下」の意味とは?読み方や「クリック」との違いも解説 – TRANS.Biz (参照 2025-12-03)
- Weblio辞書「押下」 – Weblio (参照 2025-12-03)


コメント